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いなかの猫の天邪鬼部屋

第11話

OnAir~シーズン2・第11話~


#ドリームハウス

(代表室。ヨンウンとヘギョンが座っている。)

ヨンウン : 今回は制作コストがちょっと掛かるでしょ?4トップだから。

ヘギョン : ギャラがそれほど高くないのはチェリー1人よ。それでも去年と比べるとかなり上がってるんだけど...

ヨンウン : 悪いわね。私のギャラをちょっとまけてあげてもいいわよ。

ヘギョン : やめなさいよ(笑う) 。そんな態度を取られると、後が怖いわ。...それで、今回も海外撮影には行く?

ヨンウン : 申し訳ないけど...だけど行かなくちゃならないでしょ?

ヘギョン : 今度はどこに行くつもりなの?

ヨンウン : まだ分からないわ。額縁に入れるドラマをまだ構想してないから...どこがいいかしら...

ヘギョン : あまり遠い所にしないでよ。お金を出すのは簡単じゃないんだから。

ヨンウン : 分かってるわよ。これじゃ私、罪人みたい。ところで、(事務室の外見て) 今ユンPDは休んでるの?最近見掛けないけど。

ヘギョン : ユンPD...休暇を取ってるのよ。

ヨンウン : そうなの?... そうね、ユンPDも少しは休まなくちゃ。...ボーナスは出した?

ヘギョン : (一方の口角を上げる) 私はこれでも10人を従えるオーナーよ。彼女にも事情があるの。

ヨンウン : (舌を出して) ごめん。

ヘギョン : それで制作費の話だけど。合同制作にしようと思うの。

ヨンウン : そう。どこと?

ヘギョン : 4シーズンから提議が入って来てるのよ。30億くらい投資出来るって。

ヨンウン : 4シーズンから?あそこは企画社じゃないの。制作もするって?

ヘギョン : 4シーズンにも考えがあるんでしょ。ブロードキャスティングにはあそこの俳優も出るでしょ?

ヨンウン : ええ。キム・ウニョン役にソン・ユンファが。(不安そうに) 何か他の条件みたいな事はない?

ヘギョン : 特別ややこやしく考える事はないわ。

ヨンウン : SWの時みたいに難しい事がないようにしてよ。

ヘギョン : 分かったわ。私に任せて、それは。それと、4シーズンのキム・ソンミン代表はなかなかいい人らしいわよ。

ヨンウン : はいはい。私には関係ないわ。

ヘギョン : 何言っているの、まったく...。それで、あなたたち、結婚はいつするの?

ヨンウン : (急に憂鬱そうになる) 分からないわ、まだ...。イ監督も忙しいし、私も忙しいし..二人とも今は余裕がないから..

ヘギョン : いまだに'監督'と言うの?イ・ギョンミン監督もあなたを'ソ作家'と?

ヨンウン : (にっこりと笑って) その方が気楽なのよ。急に変えるのもね。それに放送局で会う事が多いから、私的な呼び方をしたら、他の人が見てどう思うか...

ヘギョン : イ監督...私が聞いた話では、家族の事で苦労してるって...(言葉尻曇る)

ヨンウン : うん...差し押えの事?

ヘギョン : 知ってたの?

ヨンウン : (にっこりと笑って) 初めから知っていたわ...

ヘギョン : 心配じゃないの?

ヨンウン : (ヘギョン見る) 何が?

ヘギョン : それは..私はイ監督の事はよく分かってるけど、彼の家族の事は分からないから...。彼の家族があなたの稼ぎをあてにするとか...

ヨンウン : (睨む) 別に心配してないわ。(淡々と) まだお義兄さんとは会った事はないけど、お母さんの事はよく分かってるわ。あのお母さんの子供なら心配しなくて大丈夫だと思う。そして助けるべきと思ったら助けようとも思っているから。

ヘギョン : 言うのは易しいけどね...そもそも借金の保証は父子間にもないんじゃなかった?

ヨンウン : (真顔で) オンニ...。イ・ギョンミンをどう見ているの?あの人からプライドを取ったら抜け殻よ。私が助けたくてもギョンミンさんはそうさせたくないと思うはずよ。

ヘギョン : (にっこりと笑って)あれ...自分の男をかばう時は'ギョンミンさん'と言うのね...

ヨンウン : (膨れっ面をする)...


#コーヒーショップ

(ギョンミンとギョンス、対座している。)

ギョンス : すまない。

ギョンミン : (テーブルだけ眺める) ....

ギョンス : 俺が何とかして返す。お前には本当に面目ない。

ギョンミン : 俺にそう言えば済むと思ってるのか?今までどこにいたんだ?

ヒョンス : 地方に...何かカネになる事はないかと思って..

ギョンミン : (情けない) 分かれて暮せば生活費が掛かるだけだ。子供たちはどうするんだ?...何とか言えよ、本当に。

ギョンス : ヨンミンのお母さんも苦労してる。他人の家の家政婦をしに行ってるんだ、最近は。

ギョンミン : ...(頭に来て) 兄さん、知ってるか?ママがその仕事をしているのを。

ギョンス : (首を回してギョンミンを見る) え?ママが何をしてるって?

ギョンミン : 家政婦。

ギョンス : (視線が揺れる) ...生活費が大変なのか?

ギョンミン : 俺の月給に差し押えが付いてもう何年になるのか知ってるか?触れる事も出来ずにそっくりそのまま銀行に入って行く。ママに渡すカネがどこあるんだ?俺は活動費が出るからそれで辛抱出来るけど、ママは(声震える)...そうやって稼いだカネで孫に服を買ってやり、机を買ってやり、塾の授業料まで...(ため息をつく) もう若くないんだ...もうすぐ還暦だ...

ギョンス : ...

ギョンミン : 頼むからもうちょっとしっかりしてくれ。カネを返せとは言わないから、一攫千金で何とかしようとする考えはやめてくれ。

ギョンス : うん...

ギョンミン : 俺は ...結婚する。

ギョンス : え?結婚..?そうか、結婚しないとな。いつ?

ギョンミン : まだ日にちは決めてないから分からない。...とにかく、俺が言いたい事は..,俺が結婚すればもう兄さんには何もやれない。この前の事が最後だ。今まで兄さんにやるだけの事はやった事、兄さんも分かるだろう?残念だと考えてもどうしようもない。

ギョンス : 残念だなんて...。兄としてお前にやっかい事ばかり背負わせて、本当に...すまない。合わせる顔がない。

ギョンミン : ...ママは俺たちを一人で育ててくれたけど、ちゃんとならないような育て方はしていないと思うんだ、俺は。...兄さんはまだ若い。.. 敗北者のようにふるまうな。

ギョンス : ...(目が赤くなる)

ギョンミン : もう行く。(立ち上がる)

ギョンス : ...うん..

(ギョンミン、精算して歩いて出る。)


#放送局庭陰の下のベンチ

(ギョンミン、力なく一人で座っている姿。涙を浮かべて歯を食いしばる。)


#ドラマ局PD室

(ギョンミン、席に戻って来る。)

ノPD : やあ、今夜の会食はユン作家も来るのか?

ギョンミン : 話はしておいたけど分かりません。(席に座る)

ノPD : そうか。

ギョンミン : 誰が出すんです?局長?

ノPD : いや、キム・ソンミンが...

ギョンミン : (ノPDを見る) キム代表が?どうしてですか?

ノPD : 俺のドラマの制作もするし、お前のドラマにとっては俳優所属社だし。別々にしようと思ったけど、全てを知っているような顔をして俺が一緒に払えばどうなると思う?

ギョンミン : (にっこりと笑って) 結局先輩が払うんですね。

ノPD : (にやりと笑う) 狙う肉があったら網を掛けろ...

ギョンミン : (情けない。後ろ向きに座る)..

(ギョンミンの電話が鳴る。ヨンウンの名前が出る。)

ギョンミン : はい。

ヨンウン : 食事はした?

ギョンミン : うん、ちょっと前に。君は?

ヨンウン : ヘギョンオンニと食べたわ。今夜の会食には行くんでしょ?

ギョンミン : うん...行かないと。

ヨンウン : 別々に行かないとダメ?一緒に行けたらいいんだけど...

ギョンミン : (笑って席から立ち上がる) 作家監督として行く席だから、俺たちが一緒に行ったらヨンチョル先輩がまた悔しがるだろ?俺もユン作家のエスコートをしないとならないと思うし...

ヨンウン : (悔しい)...

ギョンミン : もしもし?

ヨンウン : (ため息) 私にどうしても精神修養をさせようと言うのね。ユン作家という言葉を聞いだだけでも息が出来なくなるのを知ってて。

ギョンミン : (笑う) そんな事言うなよ。

ヨンウン : 妬みかしら?

ギョンミン : 精神修養。君が妬まなかったら俺が不安になるだろ。

ヨンウン : まったくもう...(笑う) 分かったわ。じゃあ後で会いましょう。

ギョンミン : ああ...






(原作出処:sonkhj1116さんのブログ



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